2006年5月7日(日) 天候 曇

 今日は韓国最終日である。昨日距離をかなり稼いだので釜山にも余裕で到着できるだろう。宿を7:30頃に出発し、昨夜ほとんど様子が分からなかった市内を記念撮影した。日曜の朝ということもあり、車はほとんど見られなかった。国道2号線に入り、光陽のシンボルである鉄工所前で記念撮影をした後、まずは昨日たどり着かなかった晋州に向かうことにした。晋州へは国道2号線を東方面に走り、9:30頃到着した。

 まずは空腹であったので「地球の歩き方」に掲載されている晋州名物ユッケビビムパブで有名な「チョナンシッタン」に入った。ここは中央市場の近くにあり、晋州で最も古い食堂だという。店内にも昔の街中の写真が掲げられていた。ユッケビビムパブを食した後、中央市場を歩いた。ここはあまり観光化されていなくて韓国の日常を垣間見ることが出来た。この後市場の中にあるという有名なクッパブがあるという「チェイルシッタン」に入った。私の他に日本人がすでに4人程来たと店員が言ってきたので驚いた。クッパブを注文して食す。先ほどユッケビビムパブを食してからほとんど時間がたっていなかったが、折角来たのだからという思いから完食してしまった。

 

  食事を終えて中央市場を離れた後、晋州城に立ち寄った。晋州城では、文禄の役の際に日本と朝鮮との攻防戦で2回(1592年・1593年)の激戦が交わされた。現在は城門・城郭などが復元されている。次に、晋州城のそばにある義岩に立ち寄った。義岩は、南江のほとりにある岩であるが、文禄の役の際に宴会で集められた妓生の一人である論介という人物が、日本人侍を義岩に誘い込み、抱きかかえて南江に身を沈めたという謂れがある。義岩から見る南江や晋州橋の眺めは、過去に日本と朝鮮との攻防戦が交わされたとは思えないほど、非常にゆったりとしていた。その後、晋州駅に立ち寄り記念撮影をして晋州を離れた。

 いよいよ釜山へ向けて韓国ツーリングラストランである。釜山までは国道2号線をひたすら東方面へと走った。快適な片道2車線道路が続き、途中の都市部以外では距離も稼ぐことが出来た。このとき、韓国内で初めて韓国人の乗っている日本製のバイクを見た。ホンダⅩ4である。しばらくそのバイクを見ながら走っていると金浦空港の案内標識が現れ、続いて洛東江が見えてきた。いよいよ釜山へのラストランである。釜山市内へ入ると急に渋滞が激しくなった。やはり釜山は300万都市である。ソウルにも引けをとらない渋滞の規模である。渋滞を何とか切り抜けて14:00頃に釜山国際ターミナルに到着した。つい5日前にここを旅立ったのに随分と懐かしい感じがした。ターミナルの税関に声をかけて、金網の向こう側にバイクを入れバイクの出国検査をした。入国時と同様に厳しい荷物検査を受け(かばんの中身もすべて見られて)、バイクを税関内に残してバイクの出国検査を終えた。これ以降はもう韓国内をバイクで走ることは出来ない。これで韓国ツーリングは終わったと感じた瞬間であった。

 カメリアラインの受付で帰りのチケットを入手した。時間は15:00前であった。受付で搭乗時間を聞くと19:30頃までに来てくださいという返答であったので、それまで街中に出ることにした。荷物を預かり所に預け、フェリーターミナルから5分ほどの地下鉄中央洞駅へと向かった。目指すは東萊温泉である。釜山の温泉といえばまず名前が挙がってくるのが東萊温泉であり、韓国の最終日は温泉とアカスリで締めくくりたかったので選んだものである。東萊温泉へは中央洞駅~温泉場駅間を地下鉄1号線に乗り約25分でたどり着いた。運賃は1000ウオンであった。

 駅の西側を1kmほど歩くと、東萊温泉では最大の「虚心庁」が見えてきたのでそこに入った。場内の2階のフロントで電子キーをもらい早速大浴場に入った。大浴場の中は大変広くサウナ・打たせ湯・洞窟風呂などさまざまな風呂がありいろいろな風呂を堪能した。一通り風呂を堪能した後、アカスリを頼んだ。筋肉質の兄ちゃんがアカスリ手袋をはめて全身を擦っていく。全身を擦った後に石鹸で体を荒い終了である。旅の垢を落としすっきりした気分になった。気分もすっきりしたところでガウンを借りてチムイルバン(韓国風サウナ)に入り、リラックスルームで一眠りしてしまった。目覚めたときには17:00を過ぎていた。戻らなければならない時間までは少し余裕があるが、韓国での最後の食事として、港町釜山でよく食されているコムジャンオ(ヤツメウナギ)を食したかったので、あわてて「虚心庁」を出た。

「虚心庁」の周りにはコムジャンオ料理店が並んでいた。そのうちのひとつの店に入り(店名はハングルが読めないので割愛)、コムジャンオを注文する。出てきたのは皮と内臓を取り除かれたコムジャンオで、まだくねくねと動いていた。その生きたままのコムジャンオを店員がコチジャンで炒め、しばらくすると出来上がったのでそれを食した。味のほうは不味いわけではないが何とも言えないものだった。すっかり満腹になったところで店を出た。時間は19:00前であった。あわてて地下鉄温泉場駅に向かい、タイミング良く来た電車に飛び乗り、ぎりぎり19:30にフェリーターミナルにたどり着いた。

バイクの出国審査は終了しているので、私の出国審査をして、免税店で高麗人参酒たるものを購入しフェリーに乗り込んだ。荷物を2等船室に運び込んだあと、20:40頃に一旦フェリーを降り税関に置いていたバイクをフェリーに積み込んだ。日本からの出国と違い自分で船内に積み込んだ。このときバイクは私1人だけであったが、私の他に韓国からのワゴン車を1台積み込んでいた。韓国から日本へ車で旅行に行くようであった。バイクの積み込みが終了した後、大浴場に入り船窓から釜山の夜景を眺めていると、22:30頃に釜山港を出港した。とうとう韓国を離れるのかという一抹の寂しさを感じた。しばらく船内をうろうろしたあと就寝した。

(走行距離:209.1km)

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