2007年9月9日(日) 天候 曇

 今朝は6:00頃に起床した。今日は20:00新門司発大阪行きのフェリー(名門大洋フェリー)に乗船するために、11:50福江発長崎行きのフェリーに乗船することにしたので、早起きして福江地区周辺を周ろうと考えた。荷造りをして、6:30過ぎにホテルを出発した。

 まずは県道63号を走り五島福江空港に向かった。さすがに五島列島の中心地の空港だけあってそれなりの風格であった。後で調べたら福岡と長崎への定期便のほかに、8月限定で関西空港への直行便もあるらしい。まだ時間も早いこともあり閑散としていたので、次に向かった。向かったのは鬼岳であった。空港から1kmほど走り駐車場に到着した。鬼岳は標高315mの火山であるが、山全体が芝生に覆われ牧歌的な雰囲気の山である。駐車場にバイクを停め、山の中腹まで行き芝生にしばし寝転んだ。お椀を逆さまにした山の姿は正に日本昔話に出てくるような「山」の形をして見飽きなかった。暫し山を眺めた後、次に向かった。向かったのは鐙瀬海岸であった。鐙瀬溶岩海岸は、鬼岳から流出した溶岩が海岸に流れ込んだため、数キロに渡り溶岩の黒岩の海岸線が続いている。ちなみに昭和天皇・香淳皇后両陛下も散策されたという。鐙瀬ビジターセンターにバイクを停め、展望台に上ると、海岸や鬼岳などが一望できた。海岸に降りると、溶岩の塊が延々と続いており圧巻であった。時刻を見ると7:30となっていたので、海岸を後にした。

 向かったのは鬼岳コンカナ王国であった。鬼岳が一望できる鐙瀬溶岩海岸沿いの県道165号から再び鬼岳方面に戻った山の中腹にある入り口をくぐり、施設の建物に到着した。コンカナ王国を訪れたのは、鬼岳天然温泉に入るためであった。入浴料700円を払い早速温泉に入浴した。

ここの泉質は鉄分を含み、湯は赤茶色の珍しい温泉であり、わざわざ早朝から立ち寄った甲斐があった。露天や屋内風呂(ここは鉄分はなし)などを交互に入り、すっかり体も温まったので、風呂から上がり温泉を後にした。

 施設内を歩くアヒルなどとすれ違いながらコンナカ王国を出て山を降り、県道63号→国道384号→県道49号を経て明星院に到着した。明星院は、五島藩主の五島家代々の菩提寺で、弘法大師空海が立ち寄ったとされている。現在の本堂は、1778年(安永7年)に再建されたもので、天井には121枚の花鳥画が描かれている。また、護摩堂には、国指定重要文化財の、飛鳥〜奈良時代初期の作とされる銅造薬師如来立像を初めとする仏像などが奉納されている。門をくぐり、寺の人に中を案内してもらった。さすがに五島最古の木造建築だけあって風格が漂っていた。天井の花鳥画も圧巻であった。日本の西の果てのこの地に古来から豊かな文化が存在することには驚きであった。教会文化とはまた異なる文化を堪能して明星院を後にした。

 朝から動き回って空腹となったので、フェリーターミナルにあるレストラン(遊麺屋)で、五島牛焼き肉丼(1200円)を注文した。出てきた丼の肉はジューシーでおいしく食した。五島に来てから2度も五島牛を食してしまった。時刻を見るとまだ10:00であったので、最後にターミナル周辺を見て周ることにした。まずは福江城に向かった。福江城は明治維新まで五島藩主の居城跡であり、もともと石田の浜に1638年(寛永15年)に陣屋として建てられたものを、異国船に対する防衛上の必要から、幕府の築城許可を得て、五島藩第三十一代藩主盛徳の時代の1863年(文久3年)に15年の歳月をかけ完成した。ちなみに福江城は築城時は城壁の三方を海に囲まれていた日本で唯一の海城である。現在は本丸跡に長崎県立五島高等学校などが入っている。城門で記念撮影をして、城内二の丸に残る五島邸に入った。(入場料350円) 五島邸は、第三十代藩主盛成の隠殿として、福江城の二の丸に1858年(安政5年)に建立された。

 

 

 

庭園には樹齢800年の楠がどっしりと構えており、また亜熱帯植物が生い茂っており、他の日本庭園とは一線を隔する。庭園の中心の池は「心」の字を形どっており、「心字が池」と呼ばれている。1992年(平成4年)には国の名勝に指定されている。蓮の葉が生い茂っている池を暫し眺め、五島邸を後にした。

 福江城の近くにある武家屋敷通りをバイクで流し、フェリーターミナル近くに戻ってきた。最後に常灯鼻(現在の灯台のような施設)に立ち寄った。常灯鼻は五島藩第三十代藩主盛成が福江城を築く際、築城工事を容易にするため築かせたもので、1846年(弘化3年)に完成した。常灯鼻の近くまでバイクで乗り込み(乗り込み出来たので)、常灯鼻を一通り見学した。見学後、五島最後の食事としてフェリーターミナルそばにある「石松」ですし定食(鮨と五島うどんのセット)(800円)を食した。五島の魚とうどんを一緒に堪能でき満足した。満腹となったところで時刻を見ると、11:30となっていたので店を後にした。ターミナルはすぐそばなので、窓口でチケットを購入し、すかさず土産(五島銘菓ちゃんここ 15個入り1350円)を購入してから、すぐに船に乗り込んだ。間もなくフェリーは時刻どおり11:50に福江港を出港した。

 フェリーは奈留島、中通島(奈良尾港)などに寄港してから五島列島を離れた。島内巡りで疲れたので就寝しているうちに、定刻どおり16:20に長崎港に到着した。到着してすぐに長崎出島道路→長崎道→九州道をひたすら走り、19:00過ぎに新門司港に到着した。チケットを購入しフェリーに乗り込むと、予定通り20:00にフェリーは新門司港を出港した。大浴場に入り、空腹だったのでレストランで秋刀魚とご飯と味噌汁を食し(ご飯・味噌汁お替り自由)、走り続けたこともあり疲れたので就寝した。 

【走行距離:258.9km】

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