2008年8月14日(木) 天候 晴

 朝は6:00過ぎに起床した。今日はフエまで戻る日である。4日間あれば四角形状に周遊できるのだが、3日間だと周遊しようとすると三角形状になってしまい、今回私がいる地点では三角形状に周遊するのは無理があるので、フエから来た道を戻ることになった。昨日部屋に干した服などを取り込んで、8:00過ぎにホテルを出発した。

 まず向かったのはバーナーリゾートである。バーナーリゾートはダナン郊外にあるリゾート地で、19世紀初め、フランス人の別荘地として開拓された。標高1482mに位置するので、フランス植民地時代からの避暑地となっている。国道1号を北に向かって走行した。ダナン市の郊外は3〜4車線道路で快適に走行することができた。出発からフエ方向に10kmほど走ると、バーナーリゾートへの案内標識(左折15km)が見えてきたので(地方道602号に)左折した。地方道602号をしばらく進んだが、次第に路面が水溜りの穴だらけとなり、走行に手間取った。ベトナムのインフラは地方道までは維持補修の整備が行き渡っていないことを実感した。もうしばらく走行すると山道に入り、路面は大分良くなった。15kmほど走行するとビジターセンターらしき建物が見えてきた。標識の「15km」というのは恐らくバーナーリゾートの入り口までのことであったのだろう。さらに先へ進もうとして詰所らしき建物の前を通り過ぎようとすると、警備員らしき人物に止められた。どうやらリゾートに入るのに入場券が必要らしい。販売所の方向を指差されたのでそちらへ向かった。販売所はビジターセンターから少し離れた道路沿いにあった。入場料+バイク通行料=1万+5千=1万5千ドンであった。入場券を購入後再びバーナーリゾートに向け出発した。

 しばらく走行すると、道路は勾配も急になり周りも山深くなり、霧も発生してきた。進めども進めどもずっと上り坂で、いつになったらたどり着くのか不安になってきた。それでもひたすら走り続けると、山頂付近に別荘らしき建物とロープウェイ乗り場が見えてきた。さらに走行して12:00過ぎに山頂付近に到着した。山頂へはロープウェイでも行けるようになっているが、この日は運休していたので残念ながら乗ることができなかった。象のモニュメントをくぐり、カフェテラスから景色を眺めた。少し離れたところに大仏が見えたので後で行ってみることにした。山頂付近は晴天であったが、山の中腹は雲が立ち込めていたので、思ったより展望は良くなかった。しかしながら下界より気温が低く快適に過ごすことができた。遊歩道があったので周辺を徘徊した。周遊して景色を堪能した後、すぐ近くにあった古い別荘を見て回った。古い別荘はフランス統治時代に建造されたのであろうか、随分古びた感じでいい味を出していた。別荘の次は、カフェテラスから見えた大仏に向かった。バイクで来た道を戻り、3分ほどで到着した。バイクを停め大仏のほうに向かった。近くで見ると思いのほか大きかったので驚いた。大仏本体だけでも10mは超えているであろう。このような山頂にこれだけ大きな大仏を建立するにはかなりの労力が必要であっただろう。白亜の大仏と青い空が対照的であった。大仏を眺め、記念撮影をして山を降りることにした。

 山の中腹付近まで降りると、霧も晴れ展望が開けてきた。遠くにはハイヴァン峠やダナン湾に浮かぶソンチャー島などが確認できた。ここで少し気になってきたのが、ガソリンの残量がほとんどなくなってきたことであった。下り坂であるので、極力経済走行をしながらひたすら山を下った。下り坂が終わると道路が平坦になったので、ガス欠の不安がますますよぎってきた。何とか集落のあるところまでたどり着けないかと思い祈るように走っていた。ようやくある集落にたどり着いたところでとうとうガス欠になってしまった。やってしまったと思い辺りを見ると、雑貨屋でガソリンを販売していたので、すかさず1L分を補給した(2万ドン) 街から離れた集落なのでぼられると思ったが、思ったより高くなかったので(街中でも1万9千ドン/L程度はする)ほっとした。街から離れた集落のことを考えると妥当な値段であろう。何とかガス欠の危機を回避したところで引き続き来た道を戻り、国道1号に合流した。

 ガソリンスタンドで再び満タンに補給した後、国道1号をフエに向け走り始めた。2日前にも同じ道路を走行したが、行きは先を急いで景色をあまり眺めなかったので、帰りはじっくりと景色を堪能することにした。料金所を通り過ぎ、しばらく走ると道路は標高を上げていった。右手にはダナン湾に浮かぶソンチャー島が見えてきた。青い海と青い空と島の景色は絵になる風景であった。さらに走行するとハイヴァン峠に到着した。振り返ると道路が山すそに沿って峠に向かっているのが見えた。改めてハイヴァン峠の険しさを実感した。峠の反対側へ行くと、今度はランコービーチが見えた。青い海に浮かぶ白い砂浜が鮮やかであった。景色を堪能した後再び走り出し、途中の農村の風景などを眺めながら走行し、料金所を通り過ぎ16:00頃にフエ新市街に到着した。

 フエに早めに戻ってきたのは、フエ郊外にあるミーアン温泉に行くためであった。フエ中心部から国道49号で9km北へ向かったところの右手に道路沿いに看板が見えたので早速入場した。たどり着くまで一度通り過ぎてしまったので、見つけたときはほっとした。時刻は17:00になっていた。入泉料4万5千ドン(ミネラルウォーター、レンタル水着・タオル付)を支払い、更衣室のある建物に向かった。更衣室には風呂とシャワーが付いていた。貸し出された水着に着替え、早速温泉に入った。「ミーアン温泉」は温泉とコテージからなる施設である。温度の異なる温泉プール2箇所と普通のプール1箇所からとなっており、外国でよくあるパターンであった。お湯は緑色がかっており、温度も40度ほどあろうと思われ熱かったので、水着を着ていても温泉に浸かっているという実感に浸ることができた。温度の異なるプールをはしごしてすっかりくつろいでしまった。3日間バイクで走り続け疲れた体を癒すにはちょうど良かった。長らくくつろいでしまったのでいつの間にか辺りはすっかり暗くなってしまった。あまり暗くなると帰りが大変なので、名残惜しくはあったが19:00過ぎに温泉を後にした。来た道をフエ新市街に向かって戻ったが、途中の道は街灯もなく前を走行するバイクのテールランプが頼りであった。途中で見つけたスーパーでコーラ2缶とペットボトルの紅茶(5千×2+7千=1万7千ドン)を購入し、2日前にバイクをレンタルしたホテル前に20:00前に戻ってきた。ホテルの前では出発したときと同じフロントの男性が出迎えてくれた。バイクを返却してデポジットを受け取り、今夜の宿もこのホテルにした。部屋は3日前宿泊した部屋と同じであった。部屋に荷物を置き、夕食を取るために街中へ繰り出した。

 夕食は、フンブオン通りにある欧米人バックパッカーで賑わっていた「スアンチャン」にした。店に入りコム・ガー(1万8千ドン)とスプライト(6千ドン)を注文した。ベトナムに来てからフォーとコム・ガーが気に入ってしまったので、旅行中もメニューが良くわからなければどちらかを注文することにしていた。朝から食事らしいものを取っていなかったので素早く平らげてしまった。店の軒先では供え物と線香が並べられていた。他の店でも同様の供え物が並べられていた。後から知ったがベトナムでは毎月1日と15日に先祖を祭る習慣があるそうで、今回目撃したのも先祖を祭っていたのであろう。次にチェーを食しに「スアンチャン」の向かいから奥まったところの「ヘム」に立ち寄った。店に入りチェー・ダウ・トウ(3千ドン)を注文した。チェーは安く気軽に食せるデザートとしてベトナムでの私のお気に入りとなった。すっかり満足したところでホテルに戻り、北京オリンピックをテレビで観戦し、23:00頃に就寝した。

(走行距離:195.8km) 

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