2009年12月30日(水) 天候 曇のち雨のち晴

 朝は7:00に起床した。昨日はあまり走行していなかったので、今日はアンダルシア南部を隈なく周ってみようと考えた。テレビで天気予報を見ると、スペインのほとんどが見事に雨であった。また、マラガの最高気温は21度と、マドリードの12度に比べ随分と温かいようであった。支度を整え8:00にホスタルを出発し、バイクを停めている駐車場に向かった。

 駐車場の上はアタラサナス(Atarazanas)中央市場となっていたので、駐車場に行く前に市場を見学することにした。肉・魚・野菜・果物など様々な商品を扱っており、スペインの日常生活の一端を垣間見た。朝早い(8:00過ぎだと明るくなりきっていない)こともあり、どの店も準備中といったところであった。店の人たちはこんなところに東洋人が現れたので珍しがって、写真撮影にも快く応じてくれた。しばらく見学した後、地下の駐車場に向かい、パニアケースを取り付け駐車場を出ようとした。機械に昨日もらったカードを通したがゲートが開かなかった。しばらくすると係員が出てきて、駐車場の事務所に連れて行かれた。英語はよく通じなかったが、どうやら25ユーロを出せと言っている様であった。こちらはすでにカードに現金を支払っていると主張し、しばらく問答になったが、最後は代わりのカードを渡されて一段落した。ようやく駐車場を出て出発できることになった。時刻は8:40頃であった。

 アラメダ・プリンシパル通りで記念撮影をして、市街地を抜けA7→N340→A7を経由して西に走り出した。N340を経由したのは、途中229kpから西がAP7(有料)となっていたためであった。N340でも片側2車線道路であり何ら問題なかった。途中で雨が降ってきたので、給油をかねてガソリンスタンドで雨宿りをした。雨宿りしている間にも、天気は晴れたり雨が降ったりであったので、レインウェアを着込んで、再び出発した。さらに西へ走り、San Pedro de AlcantaraでA397に乗り換え、北西へと進路を変えた。

 目指すはロンダ(Ronda)であった。標高723mにあるこの街へは、A397をSan Pedro de Alcantaraから43kmであるが、海岸沿いの街から一気に723mに昇るため、途中は険しい道のりであった。カーブが多くしかもこの日は雨と風が強かったため、快適とは言えないツーリングとなってしまった。荒涼とした山岳地帯をひたすらロンダを目指し走り続けた。雨が止み晴れ間が覗いた頃に、ようやくロンダの街並みが見えてきたので一安心した。11:00過ぎロンダ駅に到着した。

 ロンダ駅で記念撮影をしてからまず目指したのはヌエボ橋であった。ヌエボ橋は18世紀頃に建設された橋で、100m以上はある渓谷に架かっており、旧市街と新市街を結んでいる。18世紀によくこんな渓谷に橋をかけることが出来たなと感心してしまった。相変わらず雨が降ったり止んだりの天気であったが、ヌエボ橋から新市街を望んでいると、丁度雨が止んで虹が出ていた。絵になる光景だったので思わず記念撮影をしてしまった。しばらくすると雨が激しくなってきたので、昼食も兼ねてレストランで雨宿りすることにした。

 闘牛場の近くの、教会のある広場に面したレストラン(Sal y Pimienta)に入り、店のお勧めを聞いた。カリョス(肉と豆の煮込み)がお勧めということなので、水+パン+カリョス(2.0+1.5+8.0=11.5 税込12.31ユーロ)を注文した。出てきた料理は温かったので、雨で冷えた体には有難かった。しばらく休憩した後、雨も止んできたので店を後にした。バイクに戻り、闘牛場や城壁などを外から見学して、ロンダを後にした。時刻は13:30を過ぎていた。

 ロンダを後にしてA369を南に走り出した。ロンダの街並みを遠く望む頃にはすっかり晴れ間が見えていた。しかスペインの冬の天候は変わりやすいということなので、レインウェアを着たまま、荒涼とした山々が続く中走り続けた。

さらに走り続けると、Mirador de Canada Hondaという?渓谷を見晴らす場所にやって来た。荒涼とした山々と、「カナダ」「ホンダ(スペイン語ではオンダというらしい)」というスペルに興味を持って、ついつい記念撮影してしまった。しかしながら、A369のまだ16kp地点であったので先を急ぐことにした。

 しばらく走り続けていると、道沿いに小さな白い村が見えたので、懲りずに立ち寄ることにした。この村はAtajateという村で、山間にあるひなびた雰囲気が何とも言えない味を出していた。教会前などで記念撮影をして、村を後にした。もうしばらく走り続けると、A369の終着点でA405とA377との分岐点に差し掛かったので、A377を通り南を目指すことにした。

 分岐点からすぐのところのGaucinというところに差し掛かり、眺めが良かったのでまたまた立ち止まってしまった。ここからは白い村や、山の麓の景色などを眺めることが出来た。休憩していると車がやってきて、スペイン人の熟年夫婦が降りてきたので、お互いの写真を撮るなどして話をした。私が日本から来てスペインをツーリングしているというと驚かれた。東洋人がこのようなところにバイクで現れるとは想像もしなかったであろう。しばらく話をした後、互いの旅の安全を願い、この場を後にした。

 A405を南下しているうちに天候も晴れてきた。やはり山を下ると天候も安定するのだろう。やがて大きな白い村が見えてきたので、左折してA7150に入った。この村はカサレス(Casares)という村で有名な白い村である。まずは村を一望できるところから記念撮影をした。山の上のほうの家は、テーブル状の山の上に乗っかっているようで迫力があった。撮影後、村の中に入った。この日は15:30を過ぎていたこともあるかもしれないが、観光客もまばらであった。

 

 

 

 

年末の飾り物で彩られた村の中を、時々子供たちに好奇の目で見られながらしばらく歩き、歩きつかれたのでバイクに戻った。それにしても青空が戻ってきたので、白い壁とのコントラストが鮮やかであった。白い村も堪能したので、16:00前に村を後にした。

 A377に戻り、風力発電の風車を横目に見ながら南下した。それにしても風が強かった。さすが風力発電をしているだけあった。それにしてもこれだけ多くの風車はなかなか日本では見られない。北海道のオロロン街道よりも多いかもしれない。さらに走り続けて、A377の終点であるSan Luis de Sabinillasの街が見えてきた。もう地中海が見えていた。ここでA377からA7に乗り換え、西南方向を目指した。A7の118kp出口のSan RoqueでCA34に乗り換えた。目指すはジブラルタル(Gibraltar)であった。右手にターリクの山(Djebel Tarik)を望みながらCA34を走り、17:00前にジブラルタルの検問所前に到着した。

 ジブラルタルは、地中海と大西洋を結ぶジブラルタル海峡にある半島状の岬である。スペイン王家継承戦争の結果、1713年のユトレヒト条約によりイギリス領となり現在に至っている。当然ながらここはイギリスなので、検問所(写真はジブラルタル出国後撮影)でパスポートを提示する必要がある。パスポートを見せると、バイクに日本人という取り合わせに少し訝られたが、何とか入国することが出来た。まずはターリクの山を目指し急な坂道を進み、バイクの通れる一番高いところにたどり着いた。そこからは、アルヘシラス湾を挟んで対岸のアルヘシラスの街を望むことが出来た。17:00を過ぎており、セント・マイケル洞窟などは入れなかったので、近くにいた警備員さんに写真を撮ってもらった。

 

 

 

生憎快晴ではなかったが、対岸に沈む夕日の景色は非常に印象的であった。この時間にたどり着いて良かったと思う。それにしても海峡に突き出た岬だけあって、風が非常に強かった。しばらく夕日を眺めたあと、山を降りた。再び検問所に戻る前に、ジブラルタル空港の滑走路前で記念撮影をした。この滑走路は道路と交差しているため、飛行機の離着陸があるときは一時的に道路が封鎖されるような構造となっていた。平地がほとんどないジブラルタルならではの苦肉の策であろう。検問所で出国手続きをしてジブラルタルを後にした。18:20頃になっていた。ちなみに、ジブラルタルの車のナンバーは黄色地で「G○○・・」となっていてすぐに分かる。

 CA34→A7に戻り、再び西南を目指した。今夜はアルヘシラス(Algeciras)に宿泊することにした。走り続けて19:00過ぎにアルヘシラスの中心部のフェリー乗り場前のマリーナ通り(Av. de la Marina)にたどり着いた。何件かホテルを探した後、バイクの駐車場・朝食込みで満足のいくホテルが見つかったのでそこに決めた。(Hotel Al-Mar 37ユーロ) 時刻は20:00前になっていた。

 荷物を部屋に置いて、街に繰り出した。アルヘシラスは、対岸のモロッコに渡るフェリーの起点となる街であり、街中もアラブ系の人たちを多く目にした。マリーナ通りに続くAv. Virgen del Carmen通りのレストラン(Restaurante Andaluz)に入り、パエリア+水(5.5+1.5=7ユーロ)を注文した。ロンダ以来、走り続けて空腹だったので、出てきた料理を素早く食した。

 

 

 

 

満足したところで店を出て、アルタ広場前のカテドラルや、市場などを見て回った。ホテルに戻る途中で、Asador de Pollosという店でアラブ風?サンドイッチ(2.5ユーロ)を購入し、ホテルに戻って0:00前に就寝した。

【走行距離:274.0km】

 

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