2010年1月1日(金) 天候 晴時々曇

 朝は7:30に起床した。またしても新年を海外で迎えてしまった。起床して早速、昨日入ることが出来なかったカテドラルに向かった。今日は恐らく元旦のミサ?があるので、無料では入れるかもしれないと思ったからだ。カテドラル前に到着すると、ヒラルダの塔の鐘が激しく鳴らされていた。元旦のミサのために鳴らされているのだろう。 カテドラルに入る前に、隣のアルカサルにも立ち寄ったが、元旦は休みであった。アルカサルはあっさりと諦めてカテドラルに戻ってきた。

 入ることが出来ないかと周りを徘徊すると、キリスト降誕の扉から人が出入りするのを見つけ、そこから中に入ることが出来た。普段であれば7.5ユーロ必要なところが無料であることがうれしい。内部は天井が高く、ステンドグラスが見事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖歌隊席のほうへ向かい、内陣前の椅子に腰掛けた。内陣には黄金色に輝く祭壇があり、内陣の反対側で行われている元旦のミサの演説?と相まって、幻想的な雰囲気を醸し出していた。一旦キリスト降誕の扉から外に出て、時計回りにカテドラルの周囲を歩き、ヒラルダの塔の前の扉から再びカテドラルに入った。

 

 

 

 

こちらからのほうがステンドグラスをよく眺めることが出来た。折角なのでヒラルダの塔に登りたがったが、残念ながら元旦は閉鎖されているとのことであったので、諦めてカテドラルを後にした。

 ホスタルに戻り、出発の支度をしてチェックアウトした。カテドラルでかなり時間を費やしたので、11:00前になっていた。駐車場に行き、パニアケースをバイクに取り付け走り出した。まずはカテドラルに舞い戻り、カテドラルをバックにバイクと記念撮影した。これでアンダルシアの3大世界遺産(コルトバ・グラナダ・セビーリャ)をバックにしてバイクと記念撮影をするという目標を達成した。記念撮影後、グアダルキビル川(Rio Guadalquivir)沿いのクリストバル・コロン通り(Paseo de Cristobal Colon)にある黄金の塔で記念撮影をし、通りを北に走り出した。

 私としてはセビーリャに来て見ておきたい橋があった。グアダルキビル川沿いをしばらく走るとその橋が見えてきた。目的の橋はアラミロ橋(Puente del Alamillo)である。アラミロ橋は、1992年に開催されたセビーリャ万博に合わせて架設された橋で、世界的に有名なスペインの建築家であるサンテイアゴ・カラトラバ(Santiago Calatrava)が手がけている。カンチレバー(片持ち)タイプの斜張橋で橋長200mを有し、建設当時はその斬新なデザインで話題になったものである。一度は見ておきたかった橋に、バイクで訪れることが出来たので感慨ひとしおであった。白いハープのような出で立ちと青い空とのコントラストが見事であった。何枚か記念撮影をして、アラミロ橋を渡り、セビーリャを後にした。

 橋を渡ると間もなくA66に合流した。ガソリンを補強してA66を北に向け走り出した。最初は晴れていたが段々と曇ってきて肌寒くなってきた。途中で高速道路の跨道路橋などを見物した。跨道路橋の上から、荒涼とした地平線の先に延びる高速道路を眺め、冬のスペインらしい風景を堪能した。すでにアンダルシア州を後にして、エストレマドゥーダ州に入っていた。太陽の降り注ぐ地から北上してきたので、かなり景色が違っているのを実感した。再びA66を走り続け、626kp出口を降りて、メリダ(Merida)の街に到着した。時刻は14:30になっていた。

 

 

 メリダは紀元前25年に建設されたローマ時代から続く街である。この街にはローマ時代を象徴する遺跡として、円形劇場とローマ劇場があり、1993年に世界遺産に登録された。ローマ劇場のインフォメーション前に到着し、そこにバイクを止めてまずは昼食を食すことにした。国立ローマ博物館向かいにあるバル「Augusta tapas」に入った。席に着き、イベリコハムとトマトのバーガー+水(2.5+1.0=3.5ユーロ)を注文した。この日は朝から何も食していなかったので、出てきた料理をすばやく食した。

 食事も終えたので、ローマ劇場の周りを歩くことにした。この時間は入り口は閉まっているようだったので、外から遺跡を眺めながら徘徊した。周りを歩いていると通用口らしきところが開いていたので、何があるのかと思い入った。どうやらこの通用口はローマ劇場に通じているようだった。すっかり諦めていたが、思わぬところで遺跡を見学することが出来た。特にローマ劇場は、半円形の観客席から眺める舞台後方の大理石支柱が見事であった。

 

 

 

 

 

この紀元前24年建設のローマ劇場や、それより古い紀元前8世紀に建設された円形劇場などを徘徊し、ローマ時代の雰囲気を堪能して、もと来た通用口を出てバイクに戻った。

 

 

 バイクに戻り、再び北へ向け走り出した。再び626kpからA66に乗った。周りの景色は相変わらず荒涼としていた。夕方近くになり天気も快晴となったが、アンダルシアの南国的な空の青さと異なり、冬の透き通る清々しい空の青さであった。走行していると、気になる跨道路橋が見えたので立ち止まった。この橋の橋脚は目測で1.0m強の円柱で、上部工と比べてもアンバランスな細さであった。地震のない国の橋梁設計基準はこうなってしまうのかと改めて思った。(逆から見れば日本の橋は橋脚が随分太いと感じるかもしれないが・・・)さらにA66をひたすら走り続け、551kp出口を降り、カセレス(Caceres)に到着した。時刻は17:00となっていた。

 街中に入り、アメリカ広場(Pl. de America)からエスパーニャ通り(Av. de Espana)を上りPlazaObispo Galarzaにたどり着いた。そばに立体駐車場料金を訪ねると、一晩で8ユーロだった。もし駐車場のないホテルしか泊まれそうに無い場合の保険とした。燃料計を見ると空に近かったので、ホテルに入る前にガソリンスタンドに立ち寄ることにした。街中には無かったので10km以上走る羽目になってしまったが、何とかN521沿いのスタンドを見つけ給油することが出来た。再び街に舞い戻り、街中に入る前にプエンテ・バディージョ通り(Ronda del puente Vadillo)からリベラ川(Rio del Ribera)を挟んでカセレスの街並みをバックに記念撮影をした。

 エスパニョール通りからサン・アントン通り に入り、中心部にはバイク乗り入れが出来なかったので、サン・ペドロ通りとの交差点でバイクを一旦停め徒歩でホテルを探した。最初に目星をつけていたホスタルが閉まっていて、なおかつ疲れていたので、雰囲気がよさそうな一軒のホテル「ホテル ドン カルロス(Hotel don Carlos)」に入り、駐車場込みの料金を訪ねた。

 

 

 

 

 

そうすると、宿泊(朝食込み)+駐車場で39+9=48ユーロ(7%サービス料込み)との返答があった。駐車場込みでこの値段であればよいかなと思い即決してしまった。一泊くらいはこのような雰囲気のホテルに泊まるのも悪くないなと思った次第であった。中は古い建物を改造しているようであり、古い建造物の佇まいが随所に残されているようであった。部屋に荷物を置いた後、一旦バイクに戻り、少し迷いながらパラス通りにある駐車場にバイクを止めてホテルに戻った。時刻は19:00を過ぎていた。

 宿も決まったので、早速街中に繰り出すことにした。カセレスは、メリダと同様に紀元前25年に建設されたローマ時代から続く街である。城壁に囲まれた、中世の佇まいを残す旧市街は1986年に世界遺産に登録されている。サン・ファン広場(Plaza de San Juan)前の教会でミサが行われていたので中を見物した後、グラン・ビア通りを経てマヨール広場(Plaza Maypr)に出てきた。ここから見える階段を上ると、旧市街の城壁にたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

城門である星の門(Arco de la Estrella)や門の横にあるブハコの塔(Torre de Bujaco)などで記念撮影をし、サンタ・マリア広場(Plaza Santa Maria)前にてカルバハル邸(Palacio de Carvajal)やサンタ・マリア教会(Iglesia de Santa maria)前などでさらに記念撮影をして、場内を徘徊した。再びマヨール広場に戻り、空腹だったので食事を取ることにした。

 広場に面した一角にレストランが並んでいたので、店頭のメニューを見ながら店を物色し、レストラン「El Pato」に入った。席に座り、店頭のメニューでお得感のあったセットメニューを注文した。(11ユーロ) 出てきた料理は、パン+水+ミーガス(migas パンの炒め物)+チキン+アイスクリーム であった。この日は昼にバルでハンバーガーだけしか食していなかったので素早く食してしまった。満腹となったところで店を出て、少し街を徘徊しホテルに戻った。部屋に戻り明日の天気予報を見ると、曇りがちではあるが、どうやら雨は降らなさそうであった。この日は初日以来の長距離走行?だったのですっかり走り疲れてしまい、0:00前には就寝してしまった。 

【走行距離:308.5km】

 

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