2012年4月29日(日) 天候 晴のち曇

 今朝は6:00頃に起床した。デッキに上がり海を眺めていると、6:20過ぎに太陽が昇り始めた。船上から眺める朝日は改めて良いものだと思った。水平線上にはすでにシチリア島が見えていた。しばらく船内を徘徊していると、到着間近を知らせる放送が流されたので、あわてて身支度をした。7:10過ぎには港に接岸する作業が始まった。あらかじめ調べていたネット上での到着時刻は8:00となっていたので、遅れることはあっても早まることはないと思っていた私にしては意外であった。港の向こう側にはパレルモPalermoの街並みが見えていた。

 7:30頃にフェリーが接岸され、私もバイクのところに向かった。数は多くないが、他にもバイクが数台見かけられた。さすがヨーロッパはツーリング文化が成熟していると思った。バイクに跨りフェリーを下船して、フェリーやその周辺をバックに記念撮影をした。記念撮影後、8:00を過ぎていたのでパレルモ市内に向かった。

 少々迷いながらも何とか市内にたどり着いたが、目的の場所にはなかなかたどり着かなかった。一旦パレルモ駅にたどり着き、そこを起点に目的地に向かうことにした。その後、マッシモ劇場Teatro Massimo方面など目的地と異なる方向に迷いながら、ヌウォーバ門Porta Nuovaをくぐりカテドラーレ付近などをぐるぐる周り、ようやく目的地に到着した。時刻は9:30になろうとしていた。

 たどり着いたのはノルマン王宮Palazzo dei Normanniであった。王宮の近くにバイクを停め、王宮に入場した。(8.5ユーロ) 入り口から坂を上った丘の上に王宮がある。ノルマン王宮は、9世紀にパレルモを支配していたアラブ人勢力により建設された砦に、12世紀にシチリア王ルッジェーロ2世などによって拡張され形成された。宮殿は、アラブ・ノルマン様式と呼ばれるアラブとノルマンの文化が融合された独特の様式となっており、宮殿内にはパラティーナ礼拝堂Cappella Palatinaがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王宮内に入り2階に上がり、アラブ風の柱や壁面のモザイク画を眺めた。これまでのイタリアの宮殿とは異なる光景であった。引き続きパラティーナ礼拝堂に入った。ビサンティン風の見事なモザイクに圧倒された。モザイクはビサンティン風だが、柱と壁の下部などはやはりアラブ風であった。荘厳な光景をしばらく眺めた後、礼拝堂を後にした。

 階段を降りるとき、3階に向かう階段に行列が出来ていたので、何か特別なことがあるのかと思い列に並んだ。私の順番になり3階に通された。私を含むグループが係員に従い案内された。議会堂などの見学であることがようやく分かった。ノルマン王宮はシチリア州議会に使用されているため、議会が開催されていないときは一般に公開されているとのことであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

係員に従い、議会場→応接室?→風の塔などを見学した。特に風の塔にある部屋の一室に描かれている、動物のモザイク画は非常に印象的であった。十分に堪能して3階を出て、王宮を後にした。時刻は10:40を過ぎていた。

 

 

 

 

 

 王宮の次は、先ほど通り過ぎたカテドラーレCattedraleに向かった。近くにバイクを停め早速中に入った。このカテドレーレも王宮と同じく12世紀建立である。幾度にも渡り増築された結果、新古典様式と呼ばれる様式となっている。ミサも行われていたため荘厳な雰囲気をかもし出していた。しばらく教会内を徘徊し、教会を後にした。時刻は11:00過ぎであった。

 

次に、クアットロ・カンティQuattro Cantiに立ち寄った。ここはヴィットリオ・エマヌエーレ大通りとマクエダ通りとの交差点部に当たるところで、4角の建物には様々な彫刻が置かれている。記念撮影をしたあと、この場所を後にし、次の目的地へ向かうためパレルモを後にすることにした。

 少々迷いながらパレルモ市街地を抜け、SS113→SS121→SS189を経由して南下した。途中ガソリンを1回補給した以外は、草地と岩山と曇り空のもとをひたすら走り続けた。まさかバイクでシチリアの内陸部を走るとはこれまで想像もしていなかったので、感慨深いものがあった。

 

 

 

 

 シチリアの風景をバックに記念撮影をしながら走り続け、13:50過ぎにアグリジェントAgrigentoの駅前に到着した。記念撮影をした後、アグリジェントでの目的である神殿の谷Valle dei Templiに向かった。標識に従い2.5kmほど走ると、神殿の谷の入り口に到着した。駐車場にバイクを停め、入場券を購入し(10ユーロ)早速中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神殿の谷には、古代ギリシア時代の神殿がいくつか残されており、1997年には世界遺産にも登録されている。ジュネーノ・ラチニア神殿→コンコルディア神殿→エルコレ神殿の順に見学した。特に、コンコルディア神殿Tempio della Concordiaは紀元前5世紀半ばに建立されたドーリス式と呼ばれる様式のもので、保存状態も大変良い。6世紀頃にはキリスト教教会として使用されていたため、破壊されずに残ったようである。イタリアで古代ギリシアの神殿を完全に近い形で見ることが出来たのは感慨深いものがあった。ただ、神殿間の距離が500m以上もあり、歩き疲れてしまった。神殿をじっくりと見学し、15:20頃に神殿の谷を後にした。

 アグリジェントからは東方面に向かって走り出した。SS640でCaltanissettaまで行き、ここからA19に乗り換えひたすら走り続けた。周りの景色は相変わらず草原と岩山であった。カターニアCataniaでSS114に乗り換え南下し、18:00頃に今夜の目的地としたシラクーサSiracusaに到着した。市内に入り、クレジットカードが使えそうなガソリンスタンドを探したが、休日のため店員がいなかったため、仕方なく現金前払いのガソリンスタンドで給油した。このスタンドは、現金を機械に投入し、投入した金額分のガソリンを補給できるシステムである。イタリアではこの後もこのシステムのスタンドで何度か給油した。

 給油も済んだので旧市街のオルティージャ島に入りホテルを探したが、空きが見つからなかった。仕方なく新市街に戻り、シラクーサ中央駅に向かうクリスピ通りVia F.Crispi沿いを走っていると、ホテル(Archimede)が見つかったので、ホテル前に立っていた従業員にフロントまで案内してもらった。空室を確認すると空きがあったので、部屋を見せてもらいチェックインした。(朝食付き65ユーロ) 時刻は19:10を過ぎていた。

 部屋に荷物を置き、早速市街地に繰り出した。ホテルから旧市街へは1kmほどなので、歩いても十分たどり着ける距離である。旧市街に入りドゥオーモ広場を中心として旧市街をくまなく徘徊した。

 

 

 

 

 

 

 

ドゥオーモや細い路地などの風景は中世にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えさせた。歩き回るうちに、朝から何も食していないこともあり疲れてきたので、ドゥオーモ広場のカフェ(CAFFE' LA PIAZZA)のテラス席に座った。メニューを見てもあまりよく分からないので、昨日に引き続きピザ+水(6.5+2.5+コペルト1.5=10ユーロ)を注文した。出てきたピザ(アマルフィ)はたまねぎとツナが載っており、空腹ということもあったかもしれないがおいしく食した。目の前のドゥオーモを眺めながら食事をして、店を後にした。しばらく徘徊したが、疲れてきたのでアポロ神殿の横を通り、シラクーサ駅を撮影して、新市街のホテルに戻り、0:00前に就寝した。

【走行距離:364.0km】

 

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