2010年12月26日(日) 天候 晴

 朝は6:30前に起床した。前日はシャワーを浴びてすぐに就寝したので、長旅の疲れは思ったより感じなかった。今日は9:00にレンタルショップへ行く予定であるので、1Fに降りてロビー付近を徘徊した後、昨年よりゆっくりとホテルの朝食を食した。気がつけば、私の周りは香港から来た団体客で席が埋められていた。スペイン人のホテルスタッフから見れば、私もその団体客の一部だと思ったであろう。食後に出ると辺りはまだ暗く、ヨーロッパの夜の長さを改めて実感した。

 食後出発の準備をして8:20頃にチェックアウトした。少し明るくなった街中を歩き、ヌエボス・ミニステリアス駅(Nueos Ministerios)から地下鉄8号線に乗り、マル・デ・クリスタル駅(Mar de Cristal)で降りた。そこからタクシーでHappy Rider Motorcyclesに到着した。降りた目の前の家の扉が開き、オーナーのホセさんが出迎えてくれた。

 ホセさんの案内でガレージに行き、今回レンタルするバイクの紹介を受けた。私がレンタルするのはホンダ トランザルプ650で、昨年と同形式であったが、車両そのものは新しいものであり、ヒートグリップが付いていた。しばらく家族の皆さんとコーヒーを飲みながら、モロッコへの入国方法やモロッコ国内などの話を聞いた後、ガレージに降りて、パニアケースに荷物を積み替え、書類手続き等を行った。今年はモロッコ国境を越えると言うことで、入国審査用の書類も用意してもらった。時刻も10:30を過ぎようとしていたので、出発することにした。少しゆっくりしすぎた。

 今年も走り出しは、途中までホセさんが車で同行した。M40の5kp出口のガソリンスタンドで給油し、M40に乗りホセさんと別れ走り出した。高速道路M40を時計回りに走り、スペインの南を目指しジャンクションでA4に乗り換えた。スペインの高速道路は一部を除き無料なので、ひたすら距離を稼ぎたいときには非常に有難い。12:40頃に217kp付近でガソリンを入れた他は、ひたすら走り続けた。

 再びA4の南下を続けたが、241kpを過ぎた辺りから約14kmについては高速道路が建設中のため、線形の悪いカーブが続いた。まだ高速道路は開通していないらしい。しばらく走ると、昨年も眺めた、高速道路の橋梁の建設現場に遭遇した。(昨年の写真は2009年12月27日参照)懐かしかったので思わず写真を撮ってしまった。去年は無かった橋桁が架かっていたので、高速道路の開通もそう遠くはないのであろう。

 257kp付近から再び高速道路となり、292kpでA44に乗り換え、グラナダを通り過ぎさらに南下して、コスタ・デル・ソルの街モトリル(Motril)に到着した。時刻は15:30になろうとしていた。走り続けてガソリンがほとんどない状態だったので、A4から乗り換えたN340沿いのガソリンスタンドで給油した(「95」で概ね1.2〜1.3ユーロ/L) N340からA7に乗り、またひたすら走り続け、16:30過ぎにマラガ(Malaga)に到着した。

 今回は、マラガからフェリーでモロッコに渡ろうと考えた。(だから出発も少し遅かったのだが・・・) 普通はアルヘシラス(Algeciras)からフェリーでモロッコに渡るルートを選択することが多いと言うことだが、フェリーにすぐ乗れたとしても、モロッコに到着するのが夜遅くなること、フェリーに乗れなければアルヘシラスに一泊することになり(アルヘシラスは街歩きするには少し寂しい)、時間的にロスが生じると考え、マラガからのルートを選択した次第であった。(マラガからのルートであれば、フェリー内で一晩を過ごすので宿代わりにもなる) フェリーの出発時刻(23:00 日によって出港時刻が異なるので要注意)までまだ時間があったので、マラガの名所を少し巡ることにした。

 市庁舎前にバイクを停め、ヒブラルファロ城(Castillo de Gibralfaro)のある丘に登ることにした。途中の道からは、マラガの港や闘牛場などを眺めることが出来た。丘の上にたどり着き、城内に入った。時刻が17:00を過ぎていたからかもしれないが、入場料(1.95ユーロ)を徴収されることは無かった。少し得した気分であった。ヒブラルファロ城は、14世紀に建造されたナスル朝時代の城砦である。城壁からマラガ港を照らす夕日などをしばし眺めた。港には今夜乗船するフェリーも見えた。(まだチケットを購入していないが・・・) その後、城内にある展示館に入り、マラガの歴史などを学んだ。18:00前となり、周りも暗くなってきたので、丘を降りた。

 市庁舎前に停めていたバイクに戻り、フェリーターミナルに向かった。Paseo de los Curasを南西方向に向かったが、フェリーターミナルが見えているのにもかかわらず、なかなかターミナルの入り口を見つけることが出来なかった。Paseo de los Curasに続くAv.Manuel Agustin Heredia沿いのバスターミナルで、フェリーターミナルの入り口の場所を聞くと、1kmほど南西だという。暗くなる中、Av.Manuel Agustin Herediaを南西方向に走り、Guadalmedina川を渡った先に入り口のゲートが見えた。ターミナルから随分と離れたところに入り口を設置したものである。ゲートを通り、今度は港内を北東に走り、ようやくターミナルに到着した。

 ターミナル内に入り、フェリー会社(Acciona Trasmediterránea社)の受付で今夜の便のチケットを購入した。(大人1名+バイク(500cc以上)=33.7+56=89.7ユーロ) これで今夜の宿?とモロッコ渡航の手続きを終えたので一安心した。22:00頃にターミナルにいるように言われた。時刻を見ると19:00前であり、3時間ほど自由時間が出来たので、街中に繰り出すことにした。ターミナルの出口(人用)を出ると、すぐそばがマリーナ広場(Plaza de la Marina)であった。バイクもここから入ることが出来れば良いのにと思ってしまった。横断歩道を渡り、Malina Larios沿いのカテドラルを眺めながら一歩奥に入り、マラガ・ピカソ美術館(Museo Picasso Malaga)に到着した。

 この美術館は1542年に完成したブエナビスタ宮殿を改造したもので、ピカソがマラガ出身ということにちなんで開館されたものである。この日(12/26)はなぜか無料であったので、非常にラッキーであった。職員の人にも、あなたはラッキーだと言われた。無料チケットを受け取り、早速中に入り、ピカソをはじめ、息子のパウロやその他の人々の作品を見て周った。絵画を十分堪能して美術館を後にした。周りの教会などを見て周り、空腹となったので食事を採ることにした。歩き回って疲れたので、レストラン「Strachan」の椅子に腰掛け、タパス(パン+ドリンク付き 11.8ユーロ)を注文した。空腹であったので素早く食し、満足して店を後にした。

 時刻も21:30を過ぎていたので、そろそろターミナルに戻ることにした。来た道を戻り、港内に入った。昔使われていたクレーンの前で記念撮影などをして、ターミナルに戻ってきた。少しバルを冷やかしてターミナル内に入ると、乗船待ちの人々で賑わっていた。外は寒かったので、しばらくターミナル内で過ごし、22:30頃にバイクを入船待ちの車の列に移動させた。列の後ろの人に記念撮影などしてもらいながら時間を過ごした後、日本のフェリーと同じように係員の人にチケットを見せて、フェリーに乗り込んだ。

 上層のデッキだったのでスロープを上り、陽気な係員に誘導されてバイクを停め、船内に入った。インフォメーションでチケットを見せたときに、今回のチケットは椅子席であることが分かった。椅子席では疲れが取れないと思い、客室に変更してもらうよう交渉した。23:00にインフォメーションに来るように言われた。時刻になり、インフォメーションに戻ったときには、椅子席から客室への変更希望者が結構いたので不安になったが、何とか客室を確保することが出来た。(4人一部屋 一人当たり22.8ユーロの追加料金が必要)

 部屋に入ると、すでに先客が1名いたが何とか2段ベッドの1階を確保し、シャワーを浴びてすっきりした。船内のレストランは閉店していたので、バルにて水(1.5ユーロ)を購入して寛いだ。その後、船内を徘徊したが、このフェリーにはプールも付いてた。さすがに冬なので水は抜いてあったが、夏なら泳ぐことも出来たであろう。この日は走り続けて疲れていたので、0:30過ぎには就寝した。

(走行距離:591.8km)

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